知られざるテレワークの実態!
こんにちは。タイガーの井上です。
実はタイガーでも世間一般的に言われる「在宅勤務」「テレワーク」と言われる仕組みを昨年の12月から開始しています。
コロナウィルス蔓延の前に準備が終わったのは幸いでした。
テレワークと口で言うのは簡単で実際に始めるとなるとそれなりの準備が必要だったりします。 タイガーがテレワーク開始までに行った下準備とポイントをご紹介したいと思います。
テレワークを始めるまでに行ったこと
タイガーでのテレワーク開始までには以下の内容の検討実行を行いました。
- テレワーク規定の作成
- テレワークガイドラインの作成
- テレワークの試験運用の開始
- テレワークの問題点の抽出と改善
- 労働基準監督署への届出
開始までに行ったこと
概略5つを書かせて頂きましたが、一つ一つ細かく、実運用に沿ったテレワークガイドラインが作成されています。
内容は一部社外秘の内容も含まれるので一般的に注意されるべき内容にピックアップして、テレワークガイドラインの内容を少しご紹介したいと思います。
テレワークをするためには上長の承認が必要
当たり前かもしれませんが、誰でも彼でもテレワークを始められるわけではありません。
基本的には各部門の上長にテレワークの申請書を提出して、許可された場合にテレワークを実施することができるようになります。
超基本のルールですが、この手の規定は重要です。これをやっておかないとテレワークと言う名の無法地帯になってしまいます。
今回もコロナウィルスの一件があったので、大幅にテレワークを行う人員が増えたのですが、申請書のルールは徹底して行っています。
テレワークは自宅もしくは両親等の家などを基本とする
原則ですが自宅、両親等の家などに作業場所は限定しています。これには以下のような意味があります。
まず、第一にセキュリティリスクについては常に考えないといけません。
喫茶店や飲食店などでの作業の場合に第三者の目に作業内容がさらされるリスクは避ける必要があります。
もう一つは喫茶店などのフリーWi-Fiなどに接続して作業をした場合にデータを盗み取られたり、傍受されるリスクがあります。
そのため、作業をする場所は自宅や両親宅などの第三者の目に触れる可能性が低い場所が選定されています。
③仕事をする環境は机・イスがあり健康を害しない場所で行うこと
これは私には全くない概念でした。なるほど、テレワークも社内での仕事もやること自体は一緒なのです。
つまり、働いていて怪我をしたとかがあれば当然「労災」の対象になるのです。
故に作業場所がいくら自宅だったとしても社員の体の安全や健康を配慮する必要があるということなんです。
ガイドラインにはそういった細かな配慮やルールも明記されています。
勿論、他にも様々なルールが明記されているのですが社外秘の情報が沢山混ざっているのでこの辺でご容赦を。
テレワークを開始するまでに大変だったこと。管理部長に聞いてみた!
今回のタイガーのテレワークの立役者の管理部部長の中井にテレワークが開始されるまでの苦労話やポイントなどを取材してみました。
仕組み作りを一から行った当事者ならではのお話を聞くことができましたので、これからテレワークを開始しようとされている企業の方のご参考になれば幸いです。
Q1:テレワーク開始までに特に意識して取り組んだことを教えてください
中井「まずは意識改革が一番の課題でした。」
『テレワークと言う仕組みはサボるための仕組みだ』、『毎日頑張って通勤している人がいるのに週5日テレワークはおかしい』
中井「正直、自分も含めてそんな風に考えてしまう風潮が無かったわけではありません。例えば営業が15:00に顧客先の仕事が終わって直帰するのをサボっているという感覚もそれに近いところはあります。この場合、なんで会社に帰ってこないんだ!とか、昔は思っていたのですが、むしろ直帰してもらった方が残業代もかからないし、何より社員が早く帰って休めれば健康にもいいし、翌日の仕事もより良くできると認識を改めたわけです。」
井上「元々、当社は12月からテレワークが正式稼働していましたよね?つまり、テレワークを開始するまでこのような問題があったということですね」
中井「結果論かもしれませんが、コロナウィルスの影響で今までの意識のままではいけないということが、社内の人間にも伝わったのではないかと思っています。」
Q2:就業開始の際にSkypeのチャットを使うのは何故ですか?
井上「就業開始の際にLineWorksではなく、Skypeを使うのは何故なのでしょうか?どちらで開始しても結果は同じですよね?」
中井「会社が提供しているパソコンからログインしているという状況が分かるし、突然Skypeで通話したいといったときに基本的に答えられる状態になっていると分かるからです。Lineの場合、スマホ、タブレット、PCいずれからでもログインできてしまうのでそこの切り分けのために敢えてSkypeという選択をしています。」
井上「そうはいってもSkypeもスマホでできないわけではないですし、悪いことをしようと思えばできてしまうのでは?」
中井「厳密にいえばそうなりますね(笑)。検討当初はコンサルの先生からも就業開始する際はカメラで社員の顔と背景を映すようにして、本当に自宅で作業を開始しているのか分かるようにするべきとの指摘がありました。」
井上「では何故、このような制度にしたのでしょうか?」
中井「監視するような仕組みにしたくなかったというのが一番の本音です。テレワークであろうが、社内勤務であろうが当社の社員はしっかり仕事ができると確信しているからです。できれば、このままの少し緩めの仕組みで運用を継続していきたいので社員のみなさんにはこの辺の意図を察していただければ嬉しいと思っております。」
井上「なるほど、性善説に基づいたルール作りをしたということです。柔軟性の高いテレワークの制度にはそんな背景があったんですね」
Q3:労基に今回のテレワークの規定を申告したとありますが、就業規則を変えたのでしょうか?
中井「幸い就業規則に「テレワークを禁止する」というルールがあったわけではないので就業規則を変えたわけではありません。テレワークに関しての規定は別に新規で作りました。」
井上「そうなんですね!てっきり、就業規則を変えたものだと勘違いしていました」
中井「そうです。新たにテレワークの規定を作成しました」
井上「各支店の社員代表から印鑑を頂いて新しい規則は認められると思うのですが、何か反発はありましたか?」
中井「全くありませんでした。恐らく、社員の働き方に柔軟性を与える新制度だったので受け入れてもらえたのだと思います」
Q4:テレワークが開始されましたが今後の課題は何かありますか?
中井「テレワーク自体は元々先にあった制度ではありますが、現在がパンデミックという緊急事態という状況もあり当初の想定よりも柔軟に対応をしています。そのため、コンサルの先生からはコロナウィルスが落ち着いた際に通常の業務体系に戻していくためのスケジュールを立てておくべきだと指摘されています。」
井上「なるほど。確かに一理ありますね。私などもそうですが、テレワークという制度は賛成ですが顧客との打ち合わせなども業務の一つにあるので、基本は会社に出社できるのであればそれが一番良かったりします。どのようにこの状態が終息していくのかは気になるところです」
中井「そうですね。この辺はとても重要ではあるのですが残念ながら現在はこの非常事態を如何に乗り越えていくのかが最優先事項と判断しているので、もう少し落ち着いてから次の施策は開始したいと思っております。」
テレワークを初めてみて分かったこと。在宅勤務者にも聞いてみた!
実際にテレワークを行っている社員数名にも意見を聞いてみました。
Q1:テレワークで困ったことを教えて下さい。
ノートPCだといつもと環境が違うので帳票の設計とかがやりづらい(補足:当社製品のトラックメイトProの帳票のことをいっています)
→これは私も分かります。できるだけ会社と同じ環境を作りたいのですが、やっぱり制約もあるので同じと言うわけにはいかないんですよね。
会社だとディスプレイを2つ使っているので画面が狭くて作業がし辛い
→一度、2ディスプレイでパソコンを操作してしまうとその快適さ故にやめられなくなります。これは確かに不便です。
お昼を持て余すもしくは家族がいるのでお昼がすぐに食べられない
→私ははいつも通りの時間に起きて、自作の弁当を作って会社の昼休みと同じように過ごしています。因みに自宅から歩いて10分のかみさんのご実家に出社しています(笑)ここは工夫が必要ですよね。会社なら同僚と談笑しながらお昼とかできるんですけど、いつもと環境が違いますからね。
同僚と相談ができない
→これは私の困りごとでメルマガやブログは川井と相談しながら作成しているので端的に言うとやりづらいのです。 一見、個別バラバラにブログやメルマガを作成しているように見えると思いますが、結構密接な情報共有と連携をして作成しています。故にもどかしい。
Q2:テレワークをしてみて良かった点を教えてください。
会社に出社しなくてよいので通勤時間がかからない
→これは凄いメリットだと思います。私も片道1時間半くらいかけて通勤しているので通勤時間実質0なので通勤ストレスフリーです。
無駄遣いのしようがない
→私もそうですが「→帰りに一杯やってく?」をやりようがないので無駄遣いしなくなりました。うん、でも寂しいですよね。
Q3:テレワークをしてみて改善してほしいことはありますか?
FAXが家にないのでFAXできない。FAXを何とかしてほしい。
→物理的に存在しないものは確かにどうしようもなかったりしますよね。でも解決方法がありましたよ!社内に人がいる場合はその人経由でお願いするという方法もありますが、リモートでPCやサーバに接続してそこからFAXを送信ができます。会社の複合機って大体の場合、FAX送信用のソフトもついているのでこの方法が一番良さそうです。
・・・後から気が付きましたが、「送信できても受信ができない」という問題が…。
まぁ、世の中にはFAXデータをPDFや文字データに変換してくれるサービスもあるみたいなので、やってやれないことはないですが・・・。
複合機がほしい・・・
わかります。こればっかりはどうにもなりそうもないですよね・・・。
運輸運送業でできるテレワークってなんでしょう?
ここまで読んでいただいて、「運輸運送業で同じことはできないよ!」「これタイガーさんだからできることじゃないの?」と疑問を持たれた方もいると思います。
はい、私も同じことはできないと思っています。
でも冷静に考えると、運輸運送業はある種のテレワークの先駆けだと思っています。何故なら、ドライバーは一回出てしまうと帰ってくるまで会社にいないわけですし。
運輸運送業界は思いのほか、テレワークに近い仕組みや取り組みが多いのです。
例えば、最近の実績に当社製品である運賃請求システム「トラックメイトPro4」クラウド版を導入して、在宅勤務をされている運送会社様もいらっしゃいます。
他にもドライバーさんの安全運転管理や、車両位置情報の確認をブラウザ上で管理することができるクラウド型ドラレコ管理システム「WEBドラサービス」もあります。
後は遠隔地にある営業所や車庫とテレビ電話を通して点呼を行うことができるIT点呼システム「点呼キーパー」もあります。
興味があればぜひ各製品についてもご覧ください。