飛び石でフロントガラスが割れた。修理費用っていくら?

飛び石でフロントガラスが割れた。修理費用っていくら?

運輸運送業の大きな課題の一つに、車両が故障すると修理で経費がかかってしまう問題があります。利益率を上げるためにできるだけ必要のない経費は削減したいわけですが、修理は削減が難しいポイントの一つです。

一般の車両と異なり、物を運ぶことを生業としている運送業は、走行距離が長くなることは避けられません。そのためフロントガラスが飛び石の被害にあう確率も高くなります…。

今回はよくある修理部位のフロントガラスにまつわるお話がテーマです。

自動車のガラスの構造

自動車のガラスは実は2種類のガラスが使われています。ガラスの種類は場所によって違ったりするので、まずはその辺を解説していきたいと思います。

ドアガラスとリアガラスは「強化ガラス」

自動車のドアガラスやリアガラスは所謂「強化ガラス」というものが使われています。強化ガラスは通常のガラスと異なり、通常のガラス板よりも割れにくくなっています。勿論、割れにくいだけで割れないわけではありません。

強化ガラスは割れた際に鋭利な切り口にならないように、5㎝角相当のガラスが最低40個以上の破片になるように割れることをJIS規格で最低条件としています。

そういった兼ね合いで、強化ガラスはドアガラス・リアガラスに推奨されているんだそうです。

フロントガラスは合わせガラス

フロントガラスは合わせガラスというものが使われております。実は合わせガラスは三層構造になっており、2枚のガラスの間に透明のフィルム(中間膜と呼びます)が挟まれています。

【図:合わせガラスの構造】

この合わせガラスですが、自動車のフロントガラスは合わせガラスにすることが法令で義務付けられています。

例えば、道路を走っている最中に飛び石が貫通したり、破片が飛び散ったりするとドライバーの生命に危険が及ぶ可能性があるので、強化ガラスよりも安全な合わせガラスが指定されているようです。

合わせガラスは、中間膜があることでガラスが割れても破片が飛散しにくく、 耐貫通性に優れているという特長があります。両方の特性を備えた合わせ強化ガラス・・・なんてものもあるみたいですが、脱線しそうなので止めておきます。

このように自動車のガラスも車両で使われる位置によって種類が異なるんですね。

ひびの入ったフロントガラスで気を付けるべきこと

実はヒビの入ったフロントガラスでやってはいけないことは結構あります。小さなヒビ(100円玉くらいのサイズ)なら、真空にして接着剤を流し込むことでリペア(修理)が可能です。

一応、自動車系の量販店に行けば修理キットも売っていたりします。そうは言っても、制約も多いので修理する場合の注意点や、ヒビが入った状態でやってはいけないことを解説していきたいと思います。

冬場にフロントガラスにお湯をかける

冬場に凍ったフロントガラスを溶かすのにお湯をかける…これは明らかにやってはいけないことです。寒暖差でガラスが伸縮し割れる原因になります。勿論、ヒビが入っていない場合でもNGです。

お湯をかけると割れやすいという理由以外にも、水をかけているので「フロントガラスが再凍結」など、問題解決するつもりがスタート地点に戻るという間抜けなことになります。

この手のお話は寒いエリアにお住まいの方はよくご存知だと思います。

因みに水とアルコール(エタノール)を1:2~3で混ぜたものをスプレーすると、早く氷が溶けます。

こんな感じの容器に入れておくと便利です。アルコール耐性のあるボトルをご使用ください

これは市販されている解氷スプレーの中身と同じ成分だったりします。

どういう原理かというと濃度100%のアルコールの凍結温度は-114℃です。70%に希釈しても約-20℃です。これを氷に吹きかけることにより、水とアルコールが混ざり凝固点が下がる、アルコールが水分子がくっついて動かない(凍っている)分子の間に入り込む、という2つの効果により氷が解ける仕組みとなっています。

因みにアルコールを直接吹きかけると車の鉄の部分が錆びる原因になったり塗装が痛む原因になるので、必ず希釈してください。

それなりに有効な方法なので、是非お試しあれ!アルコールはワイパーのゴムを痛めるので使用時はワイパーを立てておくことと、それから撥水加工をしている窓ガラスに使うと撥水効果がなくなってしまうのでご注意ください。

余談ですが、その昔、札幌の同僚に鍵穴が氷ったドアを開けるにはどうしたらいいかと聞かれて、「お湯をかける」と自信満々に答えたら「アホ」と一蹴されたことがありました(笑)

お湯をかけたら再凍結して結局開かないので、ドライヤーを使って融かすが正解なんだそうです。

ヒビ割れのリペアできない箇所

ヒビ割れでリペアでできない箇所は以下場所です。

ピンク色のエリアはリペアできない箇所です。

窓枠の淵のヒビ割れを修理すると、かえってヒビ割れが酷くなることがあります。窓の曲面があるような箇所はそういう傾向があるみたいですね。

後、運転手の目の前のエリアのヒビ割れもリペアできない箇所になります。

ヒビ割れの修理痕が綺麗に消えるわけではないので、光の反射などの影響で運転に支障をきたす場合があります。

リペア不可の条件をまとめるとこんな感じです。

    まとめ

  • ガラスの淵10㎝くらいの箇所
  • フロントガラス下から30㎝以内
  • 運転席の前
  • 撥水加工をしているガラス

リペアはあくまで応急処置なので、ガラスにヒビが入る前の強度に戻るわけではありません。

…そう、実はフロントガラスのリペアは意外と制約が多いので使えないこともしばしば…。

ヒビ割れを放置すると…

なんとなく予測はつくと思いますが、フロントガラスのヒビ割れを放置すると

  • 走行時の風圧
  • 夏冬の寒暖差
  • 車両のゆがみ

こういった要因でヒビが拡大していく可能性があります。

フロントガラスにヒビが入っていると大きさによっては車検が通らないこともあるので、いつまでも放置しておくのは危険なのでさっさと修理しておきたいですね。車検に通らない云々は置いといたとしても、単純に危ないです。

さて、そこで問題になるのは修理費用です。

そもそもフロントガラスの修理費用ってどのくらい?

意外と馬鹿にならないのがフロントガラスの修理費用です。

故に小さなヒビであれば、車検まで修理せずに我慢するという選択肢も当然出てきます。因みにトラックのフロントガラス修理費用の相場は、ディーラーに依頼すると15万円前後と言われています。

た・・・高い。

勿論、車種やメーカー、車両の大きさ・・・様々な要素があるので一概に15万円前後というは乱暴かもしれませんが

ディーラー

地元のガラス専門の修理業者

のような流れがある兼ね合いで、間に挟まっている業者が増えると高くなる傾向があります。直接ガラス専門の業者に依頼すると結構安く修理はできるみたいですね。

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