必見!運送業のChatGPT活用術
巷で話題になっているChatGPT(チャットジーピーティ)をご存知でしょうか?
「凄そうだけど運送業には関係なさそうだな。」とか思っていませんか?
ChatGPTはアメリカにあるOPEN AI社が開発した、自然な対話をできるAIのことです。
使い方もとても簡単で、知りたいことややってほしいことを文章で書いて送るだけです。
数秒~数十秒で回答が返ってくるし、人間が中にいるんじゃないかと勘違いするほどの的確な文章を書いてきます。
「文章書いてくれるだけじゃ仕事の役に立たないよ」…と思っている方が大多数とお見受けしますが、「驚くほど」仕事に役立つんですよ。
ということで、今回は運送業向けのChatGPTの活用術と注意点をご紹介したいと思います。
30秒でわかるChatGPTの使い方
ChatGPTは公式サイトでアカウント作成さえすれば無償で利用できます。
因みにChatGPTのアカウント作成の方法はネットに大量に存在しているので割愛。純粋なChatGPTの使い方だけご紹介します。
チャット入力欄にChatGPTに聞きたいことを書きます。
すると回答が返ってきます。
あまりの単純な構造(そのままチャット)なので、説明すら不要。
いかがでしょうか?『ちょっと試してみようかな…』と思っていただけたなら幸いです。
ChatGPT活用術 ①難しい文章を要約してもらう
使い方も理解できたと思いますので、実践編に移りたいと思います。
前章の使い方でも文章の要約をしてもらっていますが、要約はかなり得意なようです。
国土交通省や厚生労働省などの作成している文章なんかは難しいし、文章が長いですよね。
ということで、厚労省作成の「トラック事業者のための労働時間等の改善基準のポイント」の「はじめに」を要約してもらいました。
この資料1ページあたりの文字数が凄いんですよね。ということで、ChatGPTには2つの指示を与えました。
- 法令文章を200文字以内に要約してください。
- 指示したルール(200文字以内)は厳守です。
おぉっ195文字。しかも、わかりやすい。補足ですが、ChatGPTに一度に送信できるのは4000文字が上限です。法令文章のような長い文章は小分けにする必要があります。
ChatGPT活用術 ②ドライバーの求人票を作成してもらう
ChatGPTに以下のように伝えて求人票を作成してもらいました。
とある日本の運送企業でドライバーの求人を予定しています。ドライバーが入社したくなる魅力的な求人票のサンプルを作成していただけますか?
約10秒で作成してくれました。
ここに自社のアピールしたいポイントを盛り込んだ内容に書き換えてもらうことも可能です。
最近は車両にデジタコやドラレコ、カーナビが搭載されている企業を探しているドライバーもいるようです。ドライバーの家族が安心できる職場環境であることもアピールしたいです。サンプルにそういった要素を追加してください。
ChatGPTは連続した会話に対応しています。そのため、主語が無くても文脈を読んで、意図を組んだ回答をしてくれます。
ChatGPT活用術 ③表の分析もできる(有償)
ChatGPTは基本無料で利用可能ですが、月額利用料を支払うことでChatGPT3.5(バージョンと解釈ください)より新しいGPT4.0を利用することが出来ます。
GPT3.5とGPT4.0の決定的な違いは「推論」をできることです。
折角なので、推論の実力を測るために当社のトラックメイトから出力できる得意先別収支実績表のCSVデータを分析してもらいました。
ということで、以下のような指示をChatGPTに投げました。
ChatGPTは運送会社専門の優秀な社労士です。以下のステップに従って分析を行ってください。
- 指示内容 「情報」を元にレポートを作成してください。
- 予備知識 「情報」は2020年4月までの得意先別の収支実績報告書です。
- 出力形式 「指示内容」を以下の形式でまとめてください。
- ①要約 ②課題点 ③気を付けるべき取引先情報
- 情報(※得意先別収支実績報告書のCSVをコピーアンドペースト※)
具体的な指示にしたのは、複雑な処理をChatGPTに依頼する場合は意図を明確に伝える必要があるためです。さて、こちらが分析の結果です。
まずまずの回答が来ました。
元の表が複雑なのでもう一歩踏み込んだ内容にするにはもっと具体的に指示をする必要はあります。
実は無償版のChatGPT3.5でも同じことはできます。でも、回答の精度が低いんですよね…。普通に計算結果間違っていたりしますし。
簡単な表ならそれなりの精度で回答してくれるんですが、それだと普通に表を見るのと変わらないですしね。
有償版は前後関係から状況を推論して結果を出すのでその点が優秀です。
ChatGPTを使う上で注意すべき3つのリスク
さて、ここまで読んでいただいた方はChatGPTには無限の可能性があることを理解いただけたと思います。
あまりに便利な仕組みなので、忘れがちですがリスクが表裏一体であることを忘れてはいけません。
- いつでも安定して使えるわけではない
- 作成された文章に嘘が書いてある
- 入力した内容が機械学習に使われる
特に気を付けるべき点は上記の3つです。
いつでも安定してつかえるわけではない
無償利用の場合、いつでも安定して使えるわけではありません。利用ユーザー数が多いとChatGPTの回答速度が遅くなったり、そもそもサイトに接続できない・・・なんてこともあります。
当然、有償のユーザーを優先するのでこればかりは致し方ないと思います。
OPEN AI社が無償利用枠を廃止する…なんてことも考えられます。
実運用でガッチリ利用したいのであれば有償サービスに加入した方が安心です。
月20ドルなのでそこまで高くはありません。
作成された文章に嘘が書いてある
ChatGPTを使ったことがある方なら有名なお話です。
特に専門的な内容…例えば、運送業という意味で言うと「2024年問題」などは、わかりやすく嘘をつきます。
こんな感じで質問を投げてみました。
- 日本のトラック事業者は「2024年問題」という大きな課題を抱えています。
- 2024年問題の概要を教えてください。
- 概要は200文字以内でお願いします。
するとChatGPTがもっともらしいことを言い始めましたが、普通に嘘です。
ChatGPTは2021年9月までの学習済みデータを元に作られたAIのため、専門的かつタイムリーなネタは苦手です。
そういう意味で言うと、天気予報やニュースは適切な回答は返ってこないものだと思ってください。
新旧があまり関係ない祝辞やあいさつ文、プログラムなど規則性のある文章の作成がオススメです。
入力した内容が機械学習に使われる(可能性がある)
何をかいわんやですよね?
- 個人情報
- 顧客情報
- 企業保有のノウハウ
- 企業の知的財産権
- 高度なプログラミング等
利用規約上にChatGPTの機械学習に利用する可能性があると記載されています。ChatGPTから顧客情報が漏れる…なんて、冗談みたいな話も考えられなくはないです。
実際、Microsoft社がBingにChatGPTを導入した際に、Microsoft社内の人間しか知りえない情報を話したと話題にもなっています。
現時点だとChatGPTを開発した人間自身も制御できていない事象が発生しているので、できる対策ははじめからしておくべきです。
これからの企業に求められるスキルとは?
ChatGPTという強力なAIの登場により、ビジネスの現場ではこれから激変が起きていくことは間違いありません。
いわゆるホワイトカラーの人間がこれから淘汰されていく…なんてことも最近はよく耳にします。これからの時代に大切なのは「時間の最適化」です。
人間の手では時間がかかる作業をAIやRPA、システム化に任せ、長い文章は要点だけをピックアップ。
時間の最適化をするためには、幅広い知識とボキャブラリーそして、AIに指示をするための能力。
つまり、プロンプトエンジニアリング(※AIに行動を促し期待した結果を得るための技術力を指します。)なのかもしれませんね。願わくば、AIに使われる側ではなく使う側にいたいものです。
さて、お堅い話はこの辺にして最後にChatGPTになぞかけをしたいと思います。
ChatGPT、以下の謎かけに応えてください。
「虎」とかけて、「物流ソリューションエキスパート」と説く、その心は?
ChatGPTは・・・空気読めない系の雰囲気がありますね。
ここは真実を伝えておかないといけませんな。残念、外れです。正解は株式会社タイガーでした。
どうやら理解したようですね。これが大人の対応というやつです。この回答を引き出すのにリテイク10回出したのはここだけのお話。
今回ご紹介したChatGPTの活用方法ですが、新しい活用法が見つかりましたらタイガーブログとは別に記事を書いているNoteの方に更新していきたいと思います。