点呼だヨ!全員集合…しなくてもよくなりました【セミナー開催レポート】
2024年11月に開催した自動点呼にまつわるオンラインセミナーのレポートです。
当記事は直近で開催したオンラインセミナー【点呼だヨ!全員集合…しなくてもよくなりました】の簡易版レポートになります。今回は注目度の高い自動点呼に関わるセミナーなので、参加いただける方が多かったです。業務前自動点呼の先行実施も始まっており、みなさまの理解促進にお役立てください。
全体のスケジュール
他の運送業に聞きたいことアンケートコーナー
セミナーの参加者から、他のセミナーの参加者(ほぼ運送事業者)に聞いてみたいことを聞く、毎度おなじみのコーナーです。質問はセミナーのアンケートフォームにて募集をしています。
標準的な運賃の届け出はそのまま提出されましたか?
「そのまま届け出た」が62%と過半数を占めました。次いで、一部項目を調整して届けた、準備中、が続きます。やはり運送会社にとって受け取る運賃は死活問題になるので、このあたりの回答の分布も頷ける結果です。
2024年問題はクリアできていますか?
すでに解決済みが24%、ほぼ解決済みだがいくつか課題が残っているが49%で、合計すると73%、約3/4の運送事業者においては、2024年問題が解決されつつあることがわかる結果となりました。
しかし依然として、約3割の事業者ではまだ解決に至っていないともあり、対応に苦慮している事業者も見受けられる結果となりました。
2024年問題に対応するために、中長距離の運送をやめるという話を聞きましたが、何故ですか?(複数回答可)
複数回答可なこともあり、ばらけた印象があります。「拘束時間や残業等の管理が大変だから」が一番投票が多い結果となりました。改善基準告示の改正に伴い、労働時間が抑制されているので、頷ける結果ですね。「法規制の対応が困難だから」も同じ意味を内包していると思われます。
あと、特筆すべきはドライバーが足りないから、ですね。やはり求人に困っているというのは、運送事業者共通の悩みなのかなとも思います。ちなみに、セミナー後のアンケートで以下のような設問を投げかけてみました。
次回以降のセミナーで、運送業の求人戦略に関わるセミナーを予定していますが、聞きたいですか?
約8割の事業者が聞きたいという回答をしているあたりに、運送業における人材の雇用というのは興味があるテーマなのだと感じました。まだ企画中ではありますが、8割の方々にはぜひ今後のセミナーのお知らせを受けていただきたいです。本記事の最下部に、メールマガジンの登録がありますので、ぜひ登録ください。
DXが導く!!点呼から始める企業変革 ~点呼+を活用した業務改革と最適化~
現行の点呼制度
点呼制度には従来の対面点呼に加えて、遠隔点呼と自動点呼があります。遠隔点呼はビデオ通話を用いて行い、自動点呼はロボットまたはPCを使用して行います。自動点呼は、運転者の生体認証などを通じて確実な個人識別を行い、24時間体制で実施することが可能です。遠隔点呼と自動点呼の主な違いは以下の通りです。
- IT点呼(従来の取扱い)
- Gマークが必要
- ビデオ通話による点呼
- 遠隔点呼
- Gマーク同等の要件
- 一定の機器と施設環境が必要
- 生体認証を含む高いセキュリティが要求される
- 自動点呼
- 新制度に基づき、認定機器と施設環境が必要
- 24時間対応可能
- 業務後の点呼を自動化
遠隔点呼や自動点呼の制度は、運行管理の効率化と労働環境の改善を目的としています。
自動点呼の最新状況
国土交通省の「運行管理高度化検討会」による指針のもと、業務前自動点呼の先行実施が進められています。
業務前自動点呼を行うための流れ
- 事業者が実施希望日までに添付書類を提出先まで提出
- 必要に応じ、提出先の内容確認のために国土交通省又は国土交通省委託事業 事務局が現地調査を実施。
- 運行管理高度化ワーキングにおいて実施可否の判断
- 国土交通省又は国土交通省委託事業事務局から事業者に判断結果を通知
- 「可」の通知を事業者が受領後、事業者が業務前自動点呼を開始
業務前自動点呼:先行実施の留意点
- 運用として点呼の予定・実績管理をする必要があります。
- 日々点呼予定のデータを作成・点呼+にアップロードする事が必要となる
- 実施する前に10日間のバイタルデータ(血圧・体温)を取得する必要があります。
- 運用開始してから1ヶ月間は運行管理者の立会いが必要となります。
- 受付期間が2024年12月31日までとなります。
- 国交省へ定期的な報告事項がございます。
- 先行実施における、現地調査がある可能性がございます。
点呼+でできること
対面・遠隔・自動点呼に対応。ロボット版とPC版の違いはドライバーとのコミュニケーションの取りやすさの度合いの違いのみ。機能には差分はない。拠点が多い事業者では、PC版を勧めている。
点呼+の拡張性
「点呼+」は、運行管理業務を効率化し、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するためのプラットフォームです。対面点呼、IT点呼、遠隔点呼、自動点呼を一元管理し、関連データを効果的に活用することができます。
富士通製デジタコ「ITP-WebserviceV3」との連携
運転評価や違反情報、運転日報、安全日報を確認可能。
運管ナビ
運行管理者が行うべき業務がすぐわかるダッシュボード、業務のお知らせ通知、各種台帳の管理機能を備え、多岐に渡る運行管理業務を支援。
他社サービスとのデータ連携 を行い分析することで運行管理者が 今行うべき業務が何かをあらゆるデータに基づいて表示・通知が可能。
安全指導機能(有償オプション)
運行管理者が行う指導・監督業務をロボットやPCアプリケーションが支援。安全指導業務をロボットにて支援し、クラウド上で指導記録を一元管理が可能。
DXの推進事例
一般貨物自動車運送事業を営む企業では、全拠点に点呼+ロボット版Kebbiを導入しています。これにより、血圧計や体温計と連携させて健康管理を強化しました。導入に際しては以下の課題と対応がありました。
定量効果
- 業務前点呼が5分、業務後点呼が3分の時間短縮を達成
- 削減効果:8,192円/日、180,224円/月 の人件費削減
(1日を10時間稼働、出勤日を22日、時給1,920円換算として設定)
定性効果
-
運行管理者の負担軽減
- 運行管理者は、配車業務や管理業務を兼務しているため、最低限の点呼確認項目をロボットが行うことで負担軽減が図られた。
- 導入営業所は、深夜早朝の出庫帰庫もあるため効果は大きい。
-
点呼業務の標準化、統一化
- 24時間終日点呼があるため、運行管理者や補助者が行う際の点呼方法や指導に個人差があった。
- 義務業務については全てロボット点呼により標準化、統一化され、実施時の画像やデータも確実に記録されるようになり品質向上に繋がっている。
-
運行管理者とドライバーのコミュニケーションの向上
- コロナ感染症対策も含め、ロボットが行う確認事項を全て終えた後、人手でしかできないコミュニケーションが取れるようになり、コミュニケーションの質の向上が図られている。
-
ドライバーの点呼待ち解消
- 朝の集中時期には、点呼者が電話対応などで点呼待ちが発生していたが、ロボットが必要な確認を次々に行うことで点呼待ちが解消された。
-
ドライバー個別の業務連絡事項の確実な伝達
- 個人別に業務連絡事項の設定が可能で、伝えるべき内容をあらかじめデータ入力しておくことで、確実にドライバーに伝達できるようになった。
視聴者参加コーナー【アンケート&クイズ】
今回のセミナーでは、自動点呼にまつわる視聴者アンケートとクイズを行いました。
自動点呼をすでに実施していますか?
まだ実施していない事業者が9割に上りました。まだまだみなさん様子見をしている、というのが現状なのでしょうか。業務前も解禁になるタイミングで一気に増えそうな気はします
自動点呼に期待している効果として一番あてはまるものを選んで下さい
これは綺麗に回答が3つに別れました。会社によりけりだったりもするのでしょうけれど、だいたいこの辺りの効果はみなさん期待されるところではあるようですね!
自動点呼の導入に関して、どのような情報が必要だと考えていますか?
これもおおよそ3つに別れる結果となりました。導入・運用のコストにかかる情報が必要と考えている事業者が若干多いものの、どのような準備をするのかだったり、市場に出ている自動点呼メーカーの製品の違いなども気になる方は多いようです。
自動点呼クイズ
ここからは、セミナーで開催した自動点呼にまつわるクイズを紹介していきます。回答は折りたたんでいるので、みなさま考えてみてください。「詳細」を押すと回答が表示されます。
Q1.業務後自動点呼は遠隔地でも実施できる。 〇か×か?
×:
事業者は、特定の場所以外で乗務後自動点呼が行われることを防止するため、乗務後自動点呼に用いる自動点呼機器が持ち出されないよう必要な措置を講じること。--乗務後自動点呼実施要領について より
Q2.業務後自動点呼は、開始する予定日の何日前に届け出が必要か
10日前:
乗務後自動点呼を行おうとする事業者は、乗務後自動点呼実施予定日の原則10日前までに、乗務後自動点呼を実施する営業所等を管轄する運輸支局長に様式8の届出書を提出すること。--乗務後自動点呼実施要領について より
Q3.業務後自動点呼を行う際は、管理者は不在でも良い
〇:
不在でも良いが、何かあった時に管理者はすぐ駆け付けられるぐらいの距離にいないといけない。
自動点呼機器の故障等により乗務後自動点呼を行うことが困難となった場合に、乗務後自動点呼を実施する営業所等の運行管理者等による対面点呼又は実施が認められている点呼を行うことができる体制を整えること。
Q4.自動点呼と遠隔点呼は併用することができる
〇:
自動点呼システムに万が一の不具合などが発生した際に、遠隔点呼で点呼を完遂させる、などの使い方が可能です。
併用して利用することができます。
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