置数レバー(A)レバーは縦に0から9まで刻印してある横の溝を上下させて数を置き、右端が一位で左へ十・百・千・万と読んでいきます。ここを置数盤と云って3桁毎の色別は桁数の目安です。 たとえば12345を現す場合は右図のように置きます。 レバーは右の人差し指で動かし、行き過ぎたときは親指で戻します。 チェック・ダイヤル(B)置数レバーに置かれた数字が一列に表示され、置数の確認が出来ます。置数レバーと同様クランク・ハンドルの回転中でも動きませんので、置数されている数字がいつも一目瞭然です。 クラッチ(C)クラッチの切り換えはクランク・ハンドルの操作により自動的に行われます。最初に行うハンドルの回転が(+)ならクラッチは(x)に、(−)なら(÷)になります。なお特殊な計算では手で操作することも出来ます。 インジケーター(D)置数カバーの左下部にある矢印は、計算の行われる桁を示すものです。乗算の場合はインジケーターが左ダイヤルの第1位を指す位置に、除算の場合は最上位を指す位置に置くことを原則とします。 クランク・ハンドル(E)計算はクランク・ハンドルの回転によって行います。置数レバー右側の矢印は回転の方向を示すもので、加算及乗算は矢印の示すプラスの方向(+回転)、減算及び除算はその反対マイナス方向(−回転)へ回します。ハンドルは、つまみを引いたままスムーズに回して下さい。 レバー・クリヤー(F)クランク・ハンドルの下部にある金具がレバー・クリヤーで、置数レバーとチェック・ダイヤルを同時に帰零するものです。ハンドルツマミを右手で握ったまま、親指でカチンと音のするまで後方へ押して操作します。 キャレージ(G)キャレージは左ダイヤル(H)、右ダイヤル(I)、左帰零ハンドル(J)、右帰零ハンドル(K)で構成され、桁送り(L)によって左右に移動します。 左ダイヤル(H)キャレージの左窓を左ダイヤルと云い、窓の下にある数字は桁数を示すものです。乗算の場合は乗数を表し、除算の場合は商が現れます。左ダイヤルは全桁十進致します。 右ダイヤル(I)キャレージの右窓を右ダイヤルといい、乗算の場合は積が現れ、除算の場合は被除数を置きます。 左帰零ハンドル(J)キャレージの左端についている左帰零ハンドルは、左ダイヤルの数を零(0)にするものです。なお、左ダイヤルを帰零するとクラッチは自動的に中立になります。左手親指をキャレージ前面に当て、人さし指をハンドルにかけて手前にカチンと音のするまで倒して操作します。 右帰零ハンドル(K)キャレージの右端にある右帰零ハンドルは、右ダイヤルの数を零にするものです。右手で左帰零ハンドルと同様に操作します。 桁送り(L)この桁送りのツマミを右へ押せばキャレージは1桁づつ右へ、左へ押せば1桁づつ左へ移動します。(1桁送り) ツマミ下部の金具を挟み合わせたまま左右に動かせば、キャレージは1度に端から端まで送れます。(総送り) キャレージを途中の桁まで送る場合は、かならず1桁ずつ送って下さい。 連乗用ツマミ(M)連続乗算の場合右ダイヤルに現れた積を、置数レバーへ自動的に移しかえる装置です。この操作法は連続乗算の項に詳しく説明してあります。(特装型H68-Sにはこの装置はありません) 位取指針(N)数の小数位を取ったり、表示数を区切ったりする場合は、この位取指針を適宜移動して使用します。 安全ピン(O) クランクハンドルの後ろ側に突出しているものを安全ピンといい、クランクハンドルの逆転を防止する装置です。クランクハンドルが回転途中でどちらにも動かなくなった時には、このピンを寄っている方に押したままハンドルを回転させますと元にもどります。 |
1. 計算器は机の右側に置き、斜めにして使うのが最も能率的な使い方です。 2. 計算をはじめる前にかならず各部を帰零し、正規の位置にして下さい。 3. ハンドルの回転は、ツマミを少し手前に引きながらスムースに回して下さい。もし回し過ぎたり、反対の方向に回したりした時は、途中からはもどりませんから、その回転を終えてから戻して下さい。 4. 二つの操作を同時に行ったり、一つの操作が完全に終わらないうちに次の操作に移ったりすることは出来ません。これは器械を保護し、計算の絶対正確を期するためのロックシステムです。 5. 器械の向かって右半分は右手で左半分は左手で操作します。 6. クラッチは最初に行うハンドルの回転方向によって自動的に切換えられます。
さらに高度な計算で必要な場合は任意の方向に手で切換えることも出来ます。なお左ダイヤルを帰零しますと中立になります。 (反対方向に回したときはクラッチも逆に入っておりますから気を付けて下さい。) |